1 はじめに SONY製白黒TVに使用されていた1T204というダイオードがあります。このダイオードに関する情報はインターネット上にはほとんどありません。また、あっても一部の情報は誤っています。そこで、手持ちの情報をまとめてみました。といっても、このダイオードに関する情報はほとんどありません。 このダイオードは、2SC41シリーズとして生産したトランジスタのうち、トランジスタとしての規格に達しないものを、12インチ白黒テレビ水平偏向回路のダンパーダイオードとして使用することとし、1T204と命名したようです。命名方法は、元になったトランジスタの形式番号2SC41の追番号部分100位の0(100位の数字が無いので0)と10位の4を1T2の後に順に並べたものです。 NPNトランジスタのコレクタをカソード、ベースをアノード、エミッタを無接続として使用しています。したがって、TO-3ケースの電極各端子はNPNトランジスタとしての挙動を示します。実際にトランジスタとして動作させ、hFEを実測したところ、15程度でした。ダンパーダイオードは15.75kHzで動作しますので、ある程度の高速応答が必要であり、通常の整流用ダイオードが使えないので、整流用ダイオードよりも高速なトランジスタ(ただし、トランジスタとしては多分規格落ち)がちょうどよかったのかもしれません。しかし、ダンパーダイオードとして使用する場合、ケース(トランジスタとして使用する場合のコレクタ)がカソードとなり、高電圧が印加されるので実装上は使いにくいです。このため、大量使用されることなく終わったようです。 2 1T204の定格
3 外形
4 おわりに 今となっては、かなり珍しいものとなってしまいました。 [このページのトップに戻る] [1T200番台ダイオードインデックスに戻る] [電子部品博物館インデックスに戻る] [トップページに戻る] |